ほどなく発射のベルが鳴り、静かに列車は走り出す。
窓際のスペースにお茶と冷凍みかんを置いて、ようやく一息ついた。
車窓を流れるビルばかりの東京の風景をぼんやりと眺めながら、ようやく始まったこの旅への思いで、わくわくとしてくる...
ウォークマンに昨夜エアチェックしたカセットを入れ、ヘッドフォンから流れてくる音に耳を傾けて、この旅のひとときを楽しむ...
今にして思えば、あの時代も悪くないと思う....
現代では、携帯やPCがあれば、どこにいても世界中の情報を手に入れられるし、いろんなひととも通信もできる。いろんなことを同時にできてしまうので、とにかく忙しい...
おまけに乗り物もえらく速い。
もう冷凍みかんなんて食べてられないし、お茶がしっかり出るまで待っていられない...
不思議なのは、短時間で移動した旅ほど、印象が薄いと言う事だ...
もしドラエモンのどこでもドアが実在したとして、いろいろなところ行ってみても、もしかしたら同じ気持ちになるんじゃなかろうか...
ということは、やはり旅は途中のプロセスこそが大事なのかも知れない。
そういえば、学校の先生が良く行っていたな....「家に帰るまでが遠足です! 」って。
やはりその通りなのだと、いまさらながら納得する。
人生もきっと同じに違いない....





