2010年01月28日

カモメよカモメ

公園のベンチで、ささやかなランチを楽しんでいた。
ふと目をあげると..... 

カモメがいた。

じーっとこちらを見据えている....
こちらも負けじとじーっと見てやる....でも生意気にもちっとも逃げない。
カバンからカメラを取り出して写しても全然動じない... 

彼からみれば、人間は巨大で凶暴で何をするかわからない厄介な生き物のはずなのに、そんなことを恐れるそぶりも無く、僕の目と鼻の先で僕を見据えている....
彼は生きるために、僕の手の中の食べかけのサンドウィッチが欲しいに違いない。

僕はなんだか自分が悲しくなった。
彼のように困難に真正面から立ち向かっているだろうか....
命をかけて生きているだろうか....
とても彼のようにはできていないな...情けない。

忘れていた何かを思い出させてくれたカモメに、気がつくと食べかけのサンドウィチを差し出していた。
ジロっと中の具を確かめたかと思うと、次の瞬間「あたりまえだ! 」と言わんばかりに、バクッとくわえて、あっ言う間に飛んでいってしまった。

またしても僕は弱肉強食の自然界に負けてしまったのだ...
がんばらないとヤバイなこりゃ
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2009年11月22日

タイムスリップ

TVドラマや小説のシチュエーションで、過去へタイムスリップするのは、昔から良くある手法のような気がする...
時空の穴にいろいろな状況で吸い込まれちゃって、いきなり過去に現れるといった感じ。(最近のは、主人公が高いところから、高いところから落っこちる事故をきっかけにしているのが多いけどね...)
すごいのになると映画「ファイナルカウントダウン」みたいに、アメリカの原子力空母が1941のパールハーバーに出現するなんてのもあったな...
古いTVドラマで、現代から19世紀末へタイムスリップしたっきりのもあったな...
あれの場合は、現代に残した元旦那への連絡に、肖像画を使っていました。
新しい旦那と結婚して、子供が生まれて、孫が出来て、お年寄りになって...  最後の絵の裏に、元旦那へのメッセージがあったりして、ちょっと切ないお話でした。

もし自分がタイムスリップできるとしたら、どの時代に行きたいか...
やっぱり1960年くらいかな...
目にする歴史的情報からすると、なんかエネルギッシュな感じに憧れちゃう。

未来から現代を見たら、どんな時代に見えるんだろう...
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2009年11月08日

特急列車の旅

上野駅の売店で、弁当、お茶(手持ちのついた簡易きゅうすなやつ)、冷凍みかんを手に入れ、いそいそとL特急に乗り込む...
ほどなく発射のベルが鳴り、静かに列車は走り出す。
窓際のスペースにお茶と冷凍みかんを置いて、ようやく一息ついた。
車窓を流れるビルばかりの東京の風景をぼんやりと眺めながら、ようやく始まったこの旅への思いで、わくわくとしてくる...
ウォークマンに昨夜エアチェックしたカセットを入れ、ヘッドフォンから流れてくる音に耳を傾けて、この旅のひとときを楽しむ...

今にして思えば、あの時代も悪くないと思う....
現代では、携帯やPCがあれば、どこにいても世界中の情報を手に入れられるし、いろんなひととも通信もできる。いろんなことを同時にできてしまうので、とにかく忙しい...
おまけに乗り物もえらく速い。
もう冷凍みかんなんて食べてられないし、お茶がしっかり出るまで待っていられない...

不思議なのは、短時間で移動した旅ほど、印象が薄いと言う事だ...
もしドラエモンのどこでもドアが実在したとして、いろいろなところ行ってみても、もしかしたら同じ気持ちになるんじゃなかろうか...
ということは、やはり旅は途中のプロセスこそが大事なのかも知れない。
そういえば、学校の先生が良く行っていたな....「家に帰るまでが遠足です! 」って。
やはりその通りなのだと、いまさらながら納得する。

人生もきっと同じに違いない....
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2007年02月20日

さがしもの...

ときどきわからなくなる...

まもなく夕闇が訪れようとしている空を見上げる。
暖かかった陽光のぬくもりも、もう思い出せないほどに、仄かな色になってしまって...

果てしない空に、何を求めるというのだ..
空に何を求めても帰っては来まい。
時が来れば夜の静寂が訪れ、満天の星空が降り注ぐだけ...

ときどきわからなくなる...どうすればよいのか

力の限り西へ飛べば、いつまでも暖かかった陽光を追い求められるにちがいない...
力の限り東へ飛べば、運が良ければ、夜を越えて夜明けに出会えるかも知れない....

空の下では、自由であることを忘れるな
どうなろうとも、おかまいなしなのだ...
でも、それこそが大切なのだろう

PC230051.jpg
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2006年12月01日

7:50の彼女

毎日同じ時間に起き
毎日同じ時間に洗面所へ行き...
毎日同じ番組を見ながら、毎日同じ朝飯を食べ...
毎日出発前に用をたし...
毎日同じ時間に家を出る...
不思議なもので、僕以外の周りの人も、毎日同じ時間に生活をしているようで、毎日同じ見知らぬ人々に会います...
特に印象的なのが、7:50にハイヒールの音をけたたましく響かせながら、道路を渡って、一目散に駅まで駆けていく見知らぬ女性がいます。
年の頃は20代後半といった感じでしょうか...
晴れの日も、雨の日も、雪の日も、7:50に駆けていくのです...
もう少し早く出れば良いのに..なんて思いつつも、時計の針が7:50に差し掛かると、そろそろくるぞくるぞ...と期待してしまったり。
ときどき、時間になっても現れないと、妙に心配になってみたり...
数日後、7:50に出現すると、なんかほっとしたり....
かれこれ3年くらい続いたかな..
それが近頃、とんと現れなくなったのです。
最後に見たのは11月の上旬...
どこかで元気でくらしていると良いんだけどな...
PC300011.jpg
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2004年12月19日

雑兵怪人

ヒーロー特撮ものの中で、ヒーロー達と同じくらい欠かせないのが、雑兵怪人たちです。
彼らの主たる使命は、ひっきりなしに悪者本部から送られてくる、主役怪人の命をヒーロー達の攻撃から命を賭して守ることにあります。
主役怪人からの号令がかかれば、自分が死ぬまで攻撃を続けるのです...
彼らの攻撃力は、実に大したことなく、運良く一撃目でヒーローをよろめかしたとしても、ヒーローからの反撃で、あえなく爆死することになります。
彼ら雑兵怪人がいるからこそ、ヒーローが引き立ち... 
また、雑兵怪人がいるからこそ、主役怪人を多人数で殴り殺しにするヒーロー達が正当化される...
たまには、彼らが主役のエピソードがあってもいいんじゃないか? なんて、昔から思ってました。(^_^;)
こうして、あらためてまじまじと雑兵怪人を眺めていると、意外と凛々しくて格好良かったり... 
がんばれ! 雑兵怪人さん。
kaizin
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2004年12月03日

遠い秋、遠い記憶

これは、僕がまだ4才の頃の、遠い記憶の中のおはなし....
僕の弟が生まれるのは、まだ一年後の事... その頃の僕はまだ一人っ子でした。
僕は、兄弟が欲しかったのです... 特に姉が...
もちろん本当の姉はいませんから、望むべくもありません。
でも僕には、近所に兄弟と間違われるほど仲の良い、お姉さんがいました。
彼女は、エリカ。年齢は確か8才くらいだったでしょうか... 
僕は、エリ姉ちゃんと呼んでいました。
彼女の家は、近所の古めかしい洋館で、お庭には沢山の彫像が並んでいました。彼女のお父さんは、芸術家で、彫像や絵の制作を、自宅兼アトリエで行っていたのだと思います。

僕が幼稚園から帰ってくると、毎日のように僕の家まで迎えに来てくれて、遊びに連れ出してくれました。
エリ姉ちゃんの家で絵を描いたり、本を読んでくれたり、粘土で遊んだり、鬼ごっこをしたり... たまには、おままごとに付き合ってあげたり... 
いつも日没近くまで、遊んでくれたものでした。
僕は、そんな優しいエリ姉ちゃんの事が大好きで... もしかしたら誰よりも一番好きだったのかも知れません... 

ある晩秋の暖かい日のことでした....
いつものように、エリ姉ちゃんの家でエリ姉ちゃんに本を読んで貰っていました。
ふと、エリ姉ちゃんは、寂しげな表情を浮かべました。次に口をついて出た言葉は、「今日で、さよならなの...  私、遠くへ引っ越すことになったの... だからもう会えないの....」というものでした。
僕は、「エリ姉ちゃんが遠くへ行っちゃうの? そんなの嫌だよ.. ずっと一緒に遊びたいよ...」とだだをこねてしまいました...
それからエリ姉ちゃんは、僕に1冊の古い絵本を渡しました。古い着物の人の絵が描いてあるけど、漢字の読めなかった僕には、何の本だかさっぱりわかりませんでした。
「これは、私の大好きな本ょ... 大事にしてね」とエリ姉ちゃんは、言いました。
僕は、なんだか無性に悲しくなって、泣き出してしまいました。
泣いても泣いても...悲しさが湧いてきて仕方がありませんでした。
気が付くと、エリ姉ちゃんも泣いていました。
秋のオレンジ色の西日が、涙を浮かべた目にはキラキラととても眩しかった...
エリ姉ちゃんは、そっと僕の事を抱きしめてくれました。
僕は、エリ姉ちゃんのきゃしゃな胸に顔を埋めて、日が暮れるまで泣いていました。
エリ姉ちゃんの臭いが鼻腔に広がり、胸がくすぐったいような... なんとも不思議な気持ちになったのを憶えています。

翌日から僕は風邪をひいてしまい、数日寝込んでしまいました。
エリ姉ちゃんがいないなんて信じられない僕は、風邪が治ると早速、エリ姉ちゃんの家を訪ねました...
ひと気のない家と、うち捨てられた彫像以外、なにもありませんでした...
不思議と、涙はでませんでした。 

いつの頃からか、あんなに好きだったエリ姉ちゃんの顔を思い出せなくなりました...
きっと、エリ姉ちゃんも僕の事など、すぐに忘れてしまったと思います。
でも... あの絵本(竹取物語)だけは、本棚の隅に今でも大事にしまってあります。

こんな洋館のそばで、秋の眩しいオレンジ色の西日を浴びると、眩しさの中で、うっすらとエリ姉ちゃんの思い出が蘇りました...
youkan
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2004年11月27日

センチメンタル

高校からの帰り道、こんな夕日を浴びながら、駅から自宅へ向かう長い坂道を登っていくと、ちょうど坂道の中ほどに彼女の家がありました... 
彼女なんて書くと、まるでお付き合いしていたかのように誤解しそうだけど、本当は正真正銘の片思い。
彼女とは、中学でずっと同じクラスで、いわば幼なじみ....
一緒に笑ったり、喧嘩したり、泣いたり、ふざけあったりと、仲の良い友達の一人でした。

僕は本当は、彼女のことが好きだったのですが、どうやっても僕の気持ちは伝わらず... 彼女は、不良っぽい奴へ、どんどんのめり込んでいってしまいました。
それでも僕は彼女のことが好きだったので、仲の良い友達として、毎日を楽しくも切なく過ごしておりました。
ある晩秋の日のこと.... 僕が部活を終えて教室へ帰ってみると、すでに帰宅した彼女の椅子の背に、彼女がこの季節は毎朝着用しているマフラーを、置き忘れているのを見つけました。
よせばいいのに、彼女が明日寒い思いをしたらいけないと思いこみ、彼女の家へマフラーを届けることにしたのでした。
彼女の家へ向かう道すがら、手に握りしめたカシミヤのマフラーの手触りがとても心地よく、なんだか愛おしく
... 信号待ちの間に、思わずそっとマフラーに鼻を近づけてしまいした。
彼女の香りが鼻腔に広がり、なんだか心がポッと暖かいような、くすぐったいような... それでもう頭の中は、彼女のことでいっぱいになってしまいました。

マフラー持っていったら、よろこんでくれるかな...

こんどの日曜日にでも遊びに行こうって、約束しようかな... 

いろんな思いや期待が、湧き上がって渦巻いてしょうがありませんでした
最後の角を曲がると、目指す彼女の家はもう目の前です。
既に陽は沈み、入れ替わりに夜の星々とお月様が、頭上に広がり始めておりました。
少々緊張しながら彼女の家の勝手口の呼び鈴を鳴らすと、お母さんが出てきました。
開いたドアの中から、彼女の家の香りがフワッと感じられ、またまたちょっと嬉しくなったり...(*^_^*)
お母さんからは、「まだ帰っていないのよ... どこ行ったのかしらねぇ。わざわざマフラー届けてくれて、ありがとうね! 帰ったら渡しておきますからね 」とのお言葉をいただきました。
お母さんへマフラーを渡すと、ドアはあっさりパタンと締まりました。

ちょっと残念だけど、お母さんに感謝されただけでも、なんか達成感があって... まあ良いか、などと思いながら、今来た道を戻りかけた時でした。
10m程離れた、コンクリート製の電信柱の街灯の下で、彼女と不良っぽい(悔しいが、ちょっと格好良い)男子と手を繋いだりして、いちゃいちゃと楽しそうに向き合っているのに鉢合わせしてしまったのです!!
なんと無情なことなのでしょうか... 
いちばん観たくないシーンが目に飛び込んできてしまったのですから...
涙がポロポロと止めどもなく溢れ出てきてしまいました...
直ぐに彼らに気づかれないように、反対の方向から大回りして家路につきました。

高校は、僕は私学の男子校、彼女は公立の高校へと、互いに別々の方向へ進みました。
もう接点はありませんでした....
ただ、高校からの帰り道に彼女の家の前を通りかかると、彼女の弾くピアノがポロロポロロンと決まって聞こえてきました... 立ち止まってその音を耳にする度に、ちょっとだけ心が暖かいようなくすぐったいような... そんな感覚が蘇ってきたのを良く憶えています。

それももう遠い思い出... 
いつの頃からか、ピアノの音も聞こえなくなり... それからしばらくして、例の不良っぽい男との間に子供が出来たという噂が聞こえてきました。
今では、彼女の家のあった場所にはお洒落なマンションが建ち、当時の面影を残す物はありません。
こんな夕日を除いては...
sunset
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2004年11月21日

Fly Me to the Moon...

「お台場の街路樹さえも、美しく色づいてきた11月の終わり...
午後3時にもなると、太陽は早くも西に傾き、眩しいオレンジ色の陽光であたりを染め抜いていく...
西に向かって歩いていた僕は、眩しさに耐えられなくなり、思わず空を見上げた。
そこには、東京国際宇宙港を飛び立ったばかりのシャトルが、遙か成層圏の彼方へ向けて、素晴らしい速度で駆け上っていく姿が目に映った... 」
なんて、時代が早く来ないものかな... (^_^;)
思わず素敵な古い歌が浮かんできました。
【Fly Me to the Moon ♪】
Fly me to the moon        私を月へ連れてって..
And let me play among the stars  そして、私を星々の間で遊ばせて..
Let me see what spring is like   木星や火星の春がいったいどんなものなのか、
On Jupiter and Mars        私に見せて欲しいの。

In other words, hold my hand   言いかえると、私の手を握って。
In other words, baby kiss me   つまり、私にキスしてほしいの。
flymetothemoon
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2004年11月04日

馬の嘆き

仕事は、いつの時代も堂々巡り....
呼称や仕組みが変わったところで、とどのつまりは変わらない...
季節に合わせて巡るメリーゴーランド...
メリーゴーランドの馬たちは、いつもどんなときでも、胸を張ってお客さんのために回り続ける。
自己を押し殺し、表情を固くし、心を閉ざして....淡々と回っていく。
いったいどうしたらそんなことができるのか... 僕には、いまだに理解が出来ない。
それでも僕もメリーゴーランドの馬....
あと何回転したら、みんなと同じに成れるのだろうか...
carcel
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2004年10月19日

遠くの君へ

拝啓
最後に話をしてから、3度目の冬がやってこようとしています。
僕は、今でもときどき君のことをふと思い出します。
君は膵臓の病気で、僕はスキーの怪我で入院... 
本当だったら、話をする機会も無かったかも知れないのに、偶然に君が整形外科病棟に収容されていたおかげで、友達になることができたんだよね。
初めて話をした夜... 君は病棟の洗面台の前で、歯磨きをしながらシクシク泣いていたっけ...
外来棟の隅にある図書コーナーで、しょっちゅう鉢合わせしたね。まあ、外出できない患者の入院中の楽しみなんて、読書くらいしかなかったからね。
それにしても、いつも君の速読には驚かされたものだよ... どんな文庫本でも、1時間もあれば一冊読破してしまうんだから... 結局、コツを教えて貰えずじまいだったな。
週末の外部の扉が閉鎖された、サナトリウムのような静かな外来棟で、一日中 本を読みふけったなんて、あのときはごく当たり前のことだったけど、今ではとても良い思い出だな。
僕が手術を受けた後、しばらく弱り切った時期があったけど、毎日のように、病院内のちょっとした話題を持って様子を見に来てくれたね... 煩がっていたけど、本当は嬉しかったんだ。
やっと車いすで移動できるようになったとたんに、放射線科の裏庭にある秘密の四つ葉のクローバー群生地で、クローバー摘みを手伝わされたのには参ったけどね... 僕は地面に座ることは出来たけど、君は胆汁を抜く管が入っていたから、立っているしかなかったから仕方が無いんだけど。
僕の退院が近づいた頃、君は3度目の手術を受けていたね... 
仲よし患者のみんなで相当心配したけど、数日で姿を現したときには、ほっと安心したのを憶えているよ。でも強い薬のせいか、もう僕らと一緒に食堂で食事をすることは、ほとんど無かったね...
それでも、日に日に元気を取り戻して、僕が退院する日も、新入りの若い患者さんをつかまえて、手術の恐怖体験でビビらせたりしていたっけ...
退院の時にくれた書き置きの中に入っていた、四つ葉のクローバーの押し花は、ちゃんと取ってありますょ。
後日、二度ほど手紙をくれたね... 二度目の手紙に、やっぱり調子がすぐれなくって再入院したと書いてあったので、僕は退院後の定期検診の時に、お見舞いに行ったんだ。そうしたら、一足違いで君は既に転院した後だったんだ... 
玉川の自宅を家族で引き払って、お母さんの郷里の病院へ入ったって、看護婦さんから聞いたょ...
あれから随分時間がたってしまったね。
これが、君への恐らく最後の手紙です...
残念ながら元気になった君と話す機会はもうないけれど、君や患者仲間と過ごした入院生活の日々は、いつまでも大切な思い出として、僕の中にしまっておきたいと思います。
ありがとう... さようなら
sora
posted by NOBU at 03:06| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 妄想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年08月10日

妄想

ふと空を見上げると、山々を結ぶロープウェイがのんびりと進んでいく...
自分はと言えば、先ほどから...いやずーっと昔から、山を下り谷や河を渡り、幾多の丘を越えて歩き続けている...
ロープウェイの乗客たちは、何の苦労もなく、汗一つかかず、高度を下げることなく、僕よりも遙かに早いスピードで向こう岸まで渡っていく。
気がつけば羨望のまなざしを向けている自分に気がついた...
それにしても、もう何回ロープーウェイが往復しただろうか.... 
残念ながら、今の僕には、それを知ったところでなすすべもない... 
この谷を越えて山を登らなくては、ロープウェイの駅へさえもたどりつけないのだ。
ロープーウェイの駅へたどり着いたところで、すんなり乗れるとは思えない。
乗るためには、他の乗客の切符を奪い、谷底へ突き落として殺さなくてはならないだろう...
ロープウェイとて、次にいつ来るか分からないわけだから...
僕は、そんなことをしてまで、ロープウェイに乗るつもりなど無い....
僕はあくまで自分の足で大地を蹴り、汗を流して、息を切らせて進んでいく...
愚かなことだが、これが自分のスタイルなのかも知れない...
先ほどのロープウェイが音もなく遠ざかっていく...
僕も歩き続ける... 
ropeway
posted by NOBU at 23:02| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 妄想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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